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冷血な獣
第9章 よんかく
それから一週間が経っても現状は変わらないまま。
龍河さんと会えるわけでもなく、鷺沼さんが隣の部屋を出ていくわけでもなく、ひたすらもどかしい日々が続いた。
日曜で仕事が休みだというのに、今日も部屋に引きこもったまま、ただぼんやりとする。
そんな私を現実に引き戻すかの様に、インターフォンが鳴った。
「はい……えっ。何ですか?」
玄関のドアを開けると、また訪ねてきたのが鷺沼さんだと気付いて目を丸くする。
「灯さんの荷物を佐伯さんの部屋に置き忘れていたので、探させて貰ってもよろしいでしょうか」
鷺沼さんは無表情で、そう話した。
「良いですけど……」
……置き忘れた物って何だろう。
大きい荷物はもう残ってない筈だけど。
そのまま私は鷺沼さんを部屋へ案内する。