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冷血な獣
第9章 よんかく
* * *
……今何時だろう。あのままリビングの床へ押し倒されキスされてから何分、いや何十分経ったんだろう。
漸く鷺沼さんから唇を解放されると、私は乱れた息を整える。
そんな私を冷静に見下ろしながら、鷺沼さんは真剣に話した。
「これから毎日灯さんの事を忘れるまで、ショック療法をします」
……嘘だ。毎日? 毎日こんな事をされるの?
想像した途端、顔を青ざめる。
「け、警察を呼びますよ! 貴方から無理矢理キスされたって……!」
「良いですが、証拠がないです。それに、和仁社長を怒らせると何されるか分かりませんよ」
「脅すつもりですか……?」
淡々と話す鷺沼さんを、呆然と見つめる。
「忠告ですよ。それに灯さんの事を忘れられる良い機会かもしれないですよ」
クスッと笑って、鷺沼さんは私の頭を撫でた。