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冷血な獣
第9章 よんかく
「出てきます……」
そう言って立つと、私は玄関の方へ歩き出す。内心ほっとしていた。もう話を聞いているのも嫌だ。
そのまま玄関へ行くと、ぼうっとしながらドアを開けた。
「……はい」
部屋の前には、見知らぬ男の人。白いTシャツ、ジーパン姿で黒いキャップを深く被り、顔がよく見えない。宅配便の人にしては、荷物を何も持っていない様な……。
「あの、どちら様ですか……?」
奇妙に感じて恐る恐る尋ねると、ボソッと呟かれる。
「……俺だ」
えっ。俺だって……。
「だから誰ですか……」
また尋ね返すと、男の人がいきなり部屋へ入ってきて驚愕した。