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冷血な獣
第9章 よんかく
慌てた様に玄関へ入ると、ドアを閉める男の人。
「えっ。ちょっと……?」
その光景を見て、背筋を凍り付かせる。もしかして、泥棒……!? と。
だけど、続けられた信じられない言葉。
「だから、俺だ! 龍河だ!」
「えっ……?」
「逃げてきたんだ!」
そのまま男の人がキャップを取る。と、顔が露になって。本当に龍河さんだと分かると、私は唖然とした。
「龍河さん!?」
……逃げてきたって。どうしよう。部屋には鷺沼さんがいるのに。もし見つかったら……。
「取り合えず外へ行きましょう!」
焦ってスニーカーを履く。そしてドアを開けると、龍河さんと一緒に部屋を出た。