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冷血な獣
第9章 よんかく

* * *

マンションから100m程離れた場所にあるコーヒーショップ。何処でも良いからと急いで入ると、外から見つからない様に奥の席へ座った。

夜だけあって店内は静かで、客もちらほらいるだけ。そんな落ち着いた雰囲気の中、話し声は少し聞こえてくるも、ただならぬ雰囲気なのは私達だけだった。


「逃げてきたって、どうしたんですか?」
「あんな所いれるか!」


私の前に座っている龍河さんは、問い掛けに目くじらを立てて答える。よく見ると目の下にくまがあって、少しやつれた……? 顔色もあまりよくない。


「どういう事ですか……?」


心配になりながら質問すると、想像もしなかった答え。


「毎晩犯されそうなんだ!」
「お、犯されるって、誰から……?」
「椿だ!」


必死に訴えかける様な瞳で見つめられると、ごくっと唾を飲む。


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