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冷血な獣
第10章 無自覚
「ンッ……」
手を繋がれたまま、ねっとりと舐め上げられる舌。くらくらとする眩暈。鼻腔をくすぐるアルコールの匂い。
「ハァッ……」
口を軽く開け、舌先を舐められると。苦しかった呼吸が少しまともに出来る様になる。だが、しかし。
「むぅ……ンッ……」
貪る様にまた深く唇を塞がれると、辛く、ひたすら口内を犯され続けた。
酔ってるとはいえ、周りには人だっている。皆自分達の事だけで、人の事なんて気にしていないだろうけど。私達に気付いたら何と思うだろう。
酔ったカップルが羽目を外してると思うんだろうか。
「ンッ……ンッ……」
必死に舌の動きについていきながら薄目を開けると、真剣な龍河さんと目が合う。龍河さんはそのまま暫く唇を塞ぎ続け、口内を堪能すると、漸く唇を離した。
「ぷはっ……」
息が出来ない……。苦しかった……。ゼエゼエと私が呼吸を整えると、龍河さんは真剣にまた顔を私の顔へ寄せる。そして――
「龍河さ……ンッ」
また!? またするの!? 再び唇を塞がれると、私は驚いて頭が真っ白になった。