この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
冷血な獣
第10章 無自覚
「はぁっ……ダメです……もう……」
両手を動かす度に形を変える下着。淫らに響く蜜の音。喘ぐ声。漏れる吐息。
自分が人の前でこんな事をするなんて、自分でも信じられない。それもまさか鷺沼さんの前で……。
「して欲しいんです……どうか、もっと……」
淫らな事を。そう続けたくても、私は下の唇を噛む。言ってしまえば楽になる。だけど脳裏に龍河さんの顔が過って、我慢するしかない。
「可愛いですよ。妃南さん。本当に私のものにしたいぐらい」
鷺沼さんからクスッと笑われると、恥ずかしくなり顔を両手で塞ぎたくなる。
「灯さんの前でもそんな顔をしていたんですね。もう、させませんけど。今頃灯さんも椿様と……」
続けて話した言葉を聞くと、私は一瞬我に返った。