この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
冷血な獣
第10章 無自覚
離れろなんて、酷過ぎる……。
「魔女め! また誘惑するつもりだな!」
両肩を掴んだ両手で体を引き離されると、私は否定した。
「そんなつもりじゃ……体が勝手に……」
「その格好で俺に触れるな! 誘惑するな!」
別に誘惑しているつもりはない。
ただ体が疼いて、龍河さんを前にしたら触れたくなっただけ。
鷺沼さんよりもずっと強く。
「……ごめんなさい。無理です……」
私は龍河さんの顔を両手で包むと、そのまま申し訳なさそうに口付けた。
「っ……」
目を見開く龍河さんも、うっとりと見つめ。
「何をする……んっ……」
一度拒まれ顔を引き離されようが、追いかけてまた唇を塞ぐ。
そして眉間にシワを寄せる龍河さんの顔を掴んだまま、チュッ……チュッ……と上下唇を吸い上げた。