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冷血な獣
第10章 無自覚

「……っ、やめろ……んっ……おい、こら……」


何を言われようと、止められない。
龍河さんに触れたい、触れたい、触れたい。


「佐伯っ……この、雌猫が……」


話そうとして開けた龍河さんの口へ舌を差し込むと、互いの舌を絡ませる様に舐め上げる。


「やめ……っ……」


拒んで私の体を引き離そうとする龍河さんは、次第と口数を減らし。


「…………」


突然、舌を私の喉奥へと伸ばした。
それに驚いた私が目を開けてみると、冷酷な目付きをした龍河さんと目が合う。


「ンッ……ンンッ……」


ゾクッと背筋を凍り付かせながら、苦しくてくぐもった声を出すと。
そのまま眉根を下げつつ、口内を舌によって犯される。

一気に形勢が逆転し、私は困惑したまま暫く濃厚な口付けに翻弄された。
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