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冷血な獣
第10章 無自覚
「んっ……」
鷺沼さんのスーツにしがみつき、舌を絡められること数分。
鷺沼さんから唇を離されると同時、落ち着き払った声が耳に入った。
「ドアに手をついて下さい」
「っ……」
言われる通り鷺沼さんに背を向け、ドアに両手をつく。
キスで少し息は乱れ、鼓動も早まり、それだけじゃなくこの状況に緊張しているのが分かった。
「……鷺沼さん……」
緊張しているのは私だけ?
やっぱりこういうことに慣れてるの?
手際が良いし、顔色一つ変えない。
そういえば前、好きじゃなくても抱く事が出来るって言ってた……。
「下着、脱がせますよ」
スカートの中へ手を差し込まれ、するりと下着を太腿まで下ろされる。
「私の方へ腰を上げて下さい」
「っ……」
また言う通り腰を突き上げると、背後からベルトを外す音が聞こえてきた。