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冷血な獣
第11章 本心
昨晩の出来事が飴のせいだと決まったわけではないけど。
よく考えてみたら、飴しか思い付かなかった。
でも、今日は飴なんて食べてないのに。
「……椿さん……」
椿さんの顔を見上げ、物欲しげな声を出す。
と、椿さんは私の頭をよしよしと猫の様に撫で、
「妃南ちゃん、おねだり上手だね。可愛いからぞっこんになっちゃうな」
意識を朦朧とする私へ、質問する。
「良いよ。もう入れる?」
「んっ……」
そして涙目で答える私に、返事をしようとした時。
「じゃあ……」
部屋の中へ誰かが入ってくると、ドアの方へ視線を向けた。