この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
冷血な獣
第11章 本心
信じられない……。
夢じゃないよね?
頬をつねろうとした時、龍河さんの手が私の手を握った。
「逃げるぞ!」
「えっ……?」
「こんな頭がおかしい奴と関わってられるか!」
龍河さんの言う通りだ。
私も椿さんから早く逃げたい。
「こいつは男も女も気に入ると、屋敷に閉じ込める奴なんだ! 今までもメイドや執事にして、自分の側から逃げ出さない様にsexで躾てきた!」
ソファに腰掛けている椿さんを、軽蔑する目で睨む龍河さん。
「躾……?」
「言うことを聞かない奴には媚薬を使って、それで脅す。最低な男だ!」
「媚薬……?まさか私も?」
「恐らくな」
その答えにゾッとしながら、椿さんへ視線を向けた。
「何処へ逃げても逃がさないよ」
狂気混じりの笑顔。
まるで獲物を捕獲する獣の様な瞳。
感情のない人形の様だと、椿さんを見ながら後ずさる。