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冷血な獣
第11章 本心

信じられない……。
夢じゃないよね?


頬をつねろうとした時、龍河さんの手が私の手を握った。



「逃げるぞ!」

「えっ……?」

「こんな頭がおかしい奴と関わってられるか!」


龍河さんの言う通りだ。
私も椿さんから早く逃げたい。


「こいつは男も女も気に入ると、屋敷に閉じ込める奴なんだ! 今までもメイドや執事にして、自分の側から逃げ出さない様にsexで躾てきた!」


ソファに腰掛けている椿さんを、軽蔑する目で睨む龍河さん。



「躾……?」

「言うことを聞かない奴には媚薬を使って、それで脅す。最低な男だ!」

「媚薬……?まさか私も?」

「恐らくな」


その答えにゾッとしながら、椿さんへ視線を向けた。


「何処へ逃げても逃がさないよ」


狂気混じりの笑顔。
まるで獲物を捕獲する獣の様な瞳。

感情のない人形の様だと、椿さんを見ながら後ずさる。
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