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冷血な獣
第12章 強敵
「龍河さんっ……もう……」
「ああ……」
意識を朦朧としたまま話し掛ける私の額へ、龍河さんが優しく口付ける。
熱の感触がいつまでも残りそうなキスに、胸を締め付けながら、私は淫らに喘ぎ続けた。
「……、んっ……ぁっ……」
…もう、ダメ……。
久しぶりに龍河さんとして、体の感度がいつも以上に増している。
媚薬が効いているってこともあって……。
「あぁっ……!」
一瞬絶頂を迎え後ろへ体を仰け反らせると、龍河さんの体に倒れ込んだ。
…が、このまま行為が終わることはなく。
獣の様な瞳で私を見据える龍河さんから、私はすぐにまた荒々しく抱かれ始めた。
* * *
「妃南。本当にアパートへ帰らなくて良いのか?」
行為後、身なりを整えて二人でお茶を飲みながら、私達は今後について話し出した。
「はい! 暫くここで、龍河さんと暮らします!」
「仕事はどうする? ……やっぱりお前だけでも……」
「良いんです! 龍河さんと一緒にいれるなら! それに、椿さんの差し金で仕事も暫く休職する事にされてしまったので……」
「そうか……」
向かい合って座椅子に座り、一瞬寂しそうな顔をする龍河さんに明るく微笑む。
「本当に、今こうして一緒にいれるだけで良いですから」
もう龍河さんとこうしてまた二人でいれるなんて思ってもいなかったから、嬉しくて。
他の事は目に入らない。
諦めなくて良かった……。
「そうだ、妃南。温泉があるから二人で入るか?」
ほっと安心した様に息を吐き、龍河さんが質問してくると、私は少し戸惑ったが。