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冷血な獣
第12章 強敵
「…妃南に彼氏かぁ。あんな小さかったのにな」
「二人共、幼稚園児だったからね……」
「けどさ、妃南覚えてる?」
懐かしそうに話すと、りょう君はふんわりと微笑んだまま質問する。
そして、私の左手を引き、私の体をりょう君の方へ引き寄せて耳元で囁いた。
「俺達、結婚の約束したんだよ」
えっ……。結婚の約束……!?
「…そうだっけ?」
思い出そうとしても、全然思い出せないんだけど。
…本当にしたの?
「うん。したよ。後、初めてのキスもしたよね」
「っ……!?」
ポカンと口を開けていたけど、
話の続きを聞いて開いた口が塞がらなかった。
キス!?
初めてのキス!?
りょう君と!?
「…妃南? 何してる?」
突然目の前から話し掛けられて、
私は咄嗟にりょう君から離れた。