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冷血な獣
第12章 強敵
「行くか」
「はい……」
怒ってる……わけないか。
りょう君とくっついてた所を見られたのが気になるけど。
あれは、ただ話してただけだから。
でも……りょう君も、話すのにくっつく必要ある?
「……」
無言で龍河さんの後を追い、部屋へ戻る。
そして部屋へ入って扉を閉めると、先に座椅子へ座る龍河さんをじっと見つめた。
「…何だ? 何か話があるのか?」
「いえ……」
やっぱり……。
普段と変わらない龍河さんに、胸がきゅんっとなる。
嫉妬しない龍河さんも、怒らない龍河さんも、
「…すいません」
龍河さんの方へ近付いていき、隣に座ると、
私は謝りながら龍河さんの体に抱き付く。
「どうした?」
不思議そうに私を見る龍河さんを見ると、また胸が高鳴った。