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第12章 強敵

幼稚園の頃の事なのに、まさか気にしたの？

そんなわけないか……。

いや、でも、この哀愁が語りかけてくる。

今は一人にしてくれと。


「…龍河さん、少し庭を散歩してきますね」


明るく話し掛けてみるが、返事はなく。

そのまま重たい雰囲気の部屋から、私は静かに出た。

ドアを閉める瞬間、もう一度龍河さんの方を振り返ってみたけど、龍河さんの様子が変わることはなかった。