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冷血な獣
第12章 強敵
…何が起きてるの?
どういうつもり?
まさか、罠っ……。
「はなしてくださいっ」
咄嗟に鷺沼さんから手をはなす。
そんな私に冷たく目を細め、
「随分と嫌われてしまいましたね。恋人になるという話、忘れてしまいましたか?」
質問する鷺沼さんは、続けて私の体を抱き締めた。
「えっ……」
「本当の恋人にしてください」
「ど、どうせ罠ですよね!?」
すっぽりと体を包み込む両腕。
優しく頼む穏やかな声。
…罠だと分かっているけど、戸惑う。
「さあ、どうでしょう?」
クスッと笑い声が聞こえると、また慌てて体から離れようとした。