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冷血な獣
第13章 躾
…そうだ。
このまま逃げてしまおう!
「……」
くるりと後ろへ向き直って、玄関を探そうとキョロキョロする。
が……急に顔へ影が出来たかと思うと、目の前に誰かが立ち塞がる。
それが誰なのかは、すぐに分かった。
「どこへ?私もお供しますよ」
この声は……鷺沼さん。
やっぱりいた……。
「いえ。大丈夫です……」
「そうですか」
私がひきつったように笑うと、鷺沼さんもニコッと微笑む。
そのまま私はまたリビングへ向き直って、ゆっくり進んでいくしかなかった。