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冷血な獣
第13章 躾
「お待たせしました」
ダイニングキッチンから鷺沼さんがワインを持ってくると、目の前のグラスに注がれるのを待つ。
その間に鷺沼さんから耳打ちされると、一瞬ドキッとしたが。
「他の男にモテて嬉しそうですね」
……えっ!?
「そんなわけ……」
慌てて鷺沼さんの方へ向ける視線。
しかし鷺沼さんは知らぬ顔をして、ワインを注ぐ。
…何なの、一体。
そんな疑問が頭に過ったが、隣で椿さんから明るく話し掛けられ我に返った。
「はい妃南、かんぱーい!」
「か、乾杯……」
渡された、赤ワインの注がれたグラス。
椿さんのグラスと乾杯し、男性陣とも続けて乾杯する。
そして一口ワインに口をつけ、酸味のきいたワインの味が口の中に広がると、段々魅了された。