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冷血な獣
第13章 躾
「ごめん。お仕事に付き合わせちゃったね」
「…やっぱり仕事関係の人達なんですか?この人達……」
って、四人全員床に倒れて寝てる!?
「どうしたんですか、これは……」
「パパに俺から話して契約取って欲しいって頼まれたから、合コンするなら良いって言ったんだけど、全然良い男いないからワインに睡眠薬入れて眠らせた」
「睡眠薬!?眠らせた!?」
平然と話す椿さんに対して、呆然とする。
…やっぱり恐ろしい人だ。
自分の都合で人を眠らせるなんて。
「……あの、思ったんですけど。別に合コンしなくても。椿さんは、龍河さんの事が好きなんですよね……?」
恐る恐る質問した。
だけど一瞬椿さんが悲しそうに笑うと、困惑する。
「好きだけど、どうにもならない事ってあるじゃん?俺男だし、灯さんは俺の事恋人対象として見てくれないからさ。だから他の男で紛らわそうかなって思う時だってあるの」
その言葉を聞いて、龍河さんからフラれた時の自分を思い出す。
好きだけど振り向いてくれない相手。
どんなに辛いか、あの時身に染みた。
今の椿さんは、あの時の私と同じ。
本気で龍河さんが好きなんだ……。