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冷血な獣
第13章 躾
こんな時何て声を掛けたら良いんだろう。
龍河さんの彼女である私が何を言っても、椿さんの事を励ませない気がするし……。
「椿さん、元気を出してください……。椿さんは凄く魅力的ですよ」
「…本当?」
「はい!絶対です!」
しゅんと落ち込んでいる椿さんへ、真剣に伝えた。
するとゆっくり私の方へ近付いてくる椿さん。
「…じゃあ…」
私が不思議に思うと同時。
唐突に私へ覆い被さり、真剣な目で見下ろしてくる。
「妃南は俺の事好き?」
一瞬ギシッと軋む音を立てたソファ。
鼓膜に届く、ねだるような甘い声。
「妃南が俺を慰めて」
「どうしたんですか、急に……」
側には鷺沼さんも、寝ている四人もいるのに……。
そのまま降ってくる口付け。
「っ……」
強引に唇を貪られると、私は酔いが一気に冷めた。