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冷血な獣
第13章 躾
口内にはアルコールの味が広がり、唇や舌の熱がお互いに段々高まっていく。
「ん、くっ……」
…もしかして椿さん、酔ってる?
酔うとキス魔になるとか?
「うっ……んっ……」
唇や舌を堪能されながら色々考えてみたが、結論は出ず。
唇が解放されるのを、悶えながら待った。
「はあっ……」
漸く口付けが止んだ時には唇の感覚が麻痺していて、まだ口付けの余韻と熱が残っていた。
「…ヤバい。妃南ちゃん、俺……」
真剣な顔で話す椿さん。
「どうしたんですか……?」
質問すると、軽くチュッと唇を啄まれた。
「好き」
「……」
えっ!?
好きって、龍河さんは!?
「椿さん……?」
動揺し過ぎて、目を泳がせる。
「悪い。ごめん。でも聞いて。妃南ちゃんの事、本当に好きだよ。自分でもよく分からない。灯さんのことも好きなのに、妃南ちゃんのことも好きだと思うなんて、どうしよう……」
戸惑って視線を私から外すと、椿さんは起き上がった。