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冷血な獣
第13章 躾
「待っててください!椿さんから鍵を貰ってきます!」
立ち上がってドアの方へ走り出そうとすると、龍河さんに手を掴まれる。
「…ダメだ。危険だ。アイツらは…」
…そんな事、言ってる場合じゃないのに。
「でも……」
これ以上、龍河さんを苦しませたくない。私は無理にでも龍河さんの手を振りほどこうとした。
だが、しかし。
「探してるのはこれかな?」
部屋のドアが開き、中へ入ってきた椿さんが片手に持った鍵を見せてくると、必死に頼み込む。
「椿さん……その鍵、渡して下さい」
体調が戻り、顔色も良い笑顔の椿さんは、私の言葉に聞く耳も持たない。
「ダメだよ。灯さんへ躾てる途中なんだから」
「何が躾だ!この変態め!」
苦しみながらも龍河さんが椿さんを睨み付けると、椿さんは私達の方へ歩み寄ってきた。
「…良いの?そんな事言って。もう灯さんに優しかった俺じゃないんだよ?」
そのまま、椿さんの両腕に包まれる私の体。
「俺、妃南の事好きだから」
その言葉に驚いたのは龍河さんだけじゃなかった。