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冷血な獣
第13章 躾
龍河さんへの気持ちに悩んで、寂しさを紛らわす為の言動だということは分かっているけど。
こうもあからさまに、しかも龍河さんの前で態度にされると困惑する。
「鍵、渡しても良いよ。その代わり、妃南を俺にちょうだい」
耳元で聞こえてくる言葉も理解不能。ただ私は、目の前の龍河さんだけを真っ直ぐに見つめた。
「無理だ。渡すわけがないだろ」
すると龍河さんが話すと同時、椿さんが更に強く私へ抱きつく。
「あっそ。別にくれなくたって、勝手に奪うから良いよ。灯さん今、自由に動けないの分かってる?」
これのせいで……と続け、ジーンズの後ろポケットから何かを取り出す椿さん。
「バイブのスイッチ。このせいで、いきたくてもいけずに苦しんでるんだよ?」
…どうにかこのスイッチか鍵を奪えば…。そんな事を真剣に考えていると、何か柔らかいものがうなじに押し当てられた。それが椿さんの唇だということに、優しく吸い付かれると気付いた。