この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
冷血な獣
第13章 躾
「龍河さんって、絶対Sで頑固ですね……」
小さく呟く私をジロッと見ると、龍河さんは続ける。
「お前も同じ目にあいたいか?」
…絶対あいたくないです。心の中で、私はそう答えた。
「そろそろ行くか。鷺沼が来るかもしれない」
ドアの方へ向き直す龍河さん。
確かに、もう少しでお昼の時間だ。
「でも、椿さんをこのままにして行くんですか?」
不安が急に襲ってくる。悪いことをしたとしても、それは龍河さんへの恋心からで。本当は良い人……だと思うから。流石にこのままにするのは、可哀想。
「さっきから椿を庇うが、お前こいつが好きなのか?」
冷淡な目でまた睨まれると、私は一瞬怯えた。