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冷血な獣
第14章 平穏な日常
* * *
「1カ月も部屋を開けていたから埃が溜まってますね。掃除しないと……」
薄暗い部屋の中。閉め切ったカーテンの隙間から漏れる陽射しだけを頼りにして、リビングへ進んでいく。
「掃除も大事だが、…先にすることがあるだろ?」
リビングへ入るや否や、龍河さんに後ろから抱き締められると、ごくっと唾を飲んだ。
「…でもですね、帰ってきたばかりだし、二人とも疲れてるし…」
早々するの。別に私は良いけど。寧ろ嬉しいけど。龍河さんに最近触ってなくて、たまっているし。
「そうだな。疲れている。だが、…先に何か食べないと、だろ?」
「えっ……?」
キリッとして言われると、私の口からは間抜けな声が漏れた。