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冷血な獣
第3章 冷血人間の彼女2
「ンンッ…ンッ……」
口内の奥まで伸ばされた舌に苦しくなって、龍河さんの胸を両手で叩いた。それでも龍河さんからのキスは収まることを知らず、どんどん濃厚でいやらしいものになっていく。
「ンッ…むっ……」
唇の端から溢れる涎。それを龍河さんはチュッと優しく吸いとると、私の体をソファへ押し倒した。
「龍河さん! お見合いってどういう事ですか!」
「どういう事も何も、見合いは見合いだろ?」
「そういう事を聞いてるんじゃなくて、誰と、何故、お見合いをするんですか!」
…やっぱり茶織先輩の言うとおりだった。もしかして私、もう捨てられるの? それとも恋人なんて、嘘だったとか?
「…取引先の社長から娘と結婚してくれないかと頼まれた。勿論見合いは形だけで、結婚も断るつもりだ」
私に覆い被さったまま、龍河さんは淡々とそう話した。