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冷血な獣
第15章 黒い渦
「っ……」
「妃南」
ねだる様に耳元で囁いてくる。そんな龍河さんから押し切られそうになった瞬間、チャイムが聞こえてきた。
「…誰だ?」
「さあ。私出てきますね!」
不機嫌そうに龍河さんが私から離れると、私は玄関へ向かう。
龍河さんには簡単にその気になってしまうから困る。龍河さんは料理中でも気にしないのだから……。
「はい、どちら様ですか」
玄関につき部屋のドアを開けて、まさか思わぬ展開が待っていようとは私も龍河さんも思っていなかった。