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冷血な獣
第15章 黒い渦
「久しぶりだね~。って、まだ2日しか経ってないけどさぁ」
部屋の前に立っていたのは、既に懐かしささえ感じる椿さんだった。今日は女装しておらず男の格好で、ついこないだまでの事は無かった様に笑顔でリビングの床に座ったまま、不機嫌な顔でソファに座っている龍河さんを見つめた。
「椿、何で来たんだ?鷺沼は?一人か?」
「一人で来たよ。二人に会いたくなっちゃって」
「……今日女装は?もうしないのか?」
二人に珈琲を出しながら話を聞いている間、ハラハラしてしまい私は笑顔の椿さんと、それを睨み付ける龍河さんを無言で交互に見た。