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冷血な獣
第15章 黒い渦
* * *
それから暫く三人で話して椿さんが帰ると、私達は夕食とお風呂を済ませ、寝室のベッドで横になった。二人共ラフにTシャツとスウェットのパンツ姿で、体からは同じシャンプーとボディソープの香りを漂わせる。
そんな中、後ろから私の体を抱き締めながら話す、龍河さん。
「俺も仕事が決まったし、もっと広い部屋に引っ越すか?」
「広い部屋にですか?私はここで満足ですけど……龍河さんは引っ越したいんですか?」
元々広い部屋に住んでいた龍河さんにとっては、この部屋は狭いのかもしれないけど。ここはスーパーもコンビニも近いし、結構便利な場所にある。それに家賃だって安いし……不便だとは思わない。龍河さんが引っ越したいと言うのなら考えるが。
「…言いにくいんだが、その……ベッドが、少し狭いんだ……それにソファも小さい……」
「そうでしたか……!」
遠慮がちに龍河さんが話すと、想像もしていなかった内容で驚いた。確かにベッドはシングルサイズだし、ソファも一人暮らし用に買ったから二人掛けソファの中の小さめな方。……引っ越した方が良いのかもしれない。