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冷血な獣
第15章 黒い渦
「じゃあ、引っ越しましょう!」
「良い部屋が見つかれば、そうしよう。…すまない。」
申し訳なさそうな声が耳元で聞こえてくると同時、ぎゅっと抱き締める腕に力を込められて、龍河さんの体温がTシャツを通して伝わってきた。逞しい腕も、硬い胸板も、触れられるだけで贅沢。なのに、こうしていられる事から更に欲が出始める。
「……」
「……」
二人共無言のまま、だけど早まる鼓動。お尻に硬いものが当たっている事に気付いてもさほど驚かず、胸が高鳴るだけだった。
「あ!」
この静かな雰囲気から普段の雰囲気へ戻したのは、私の突拍子もない声だった。