この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
冷血な獣
第15章 黒い渦
「何だ?どうした?」
「そういえば……」
急に今日、りょう君が訪ねてきた事を思い出した!
…言った方が良いのだろうか。同じマンションだって事。それとも言わない方が良いのだろうか。
「妃南?そういえば何だ?」
「そういえば……民宿であったりょう君なんですけど、同じマンションらしいです。今日偶然会ったので、カフェで少々世間話をしたんです」
「カフェで?世間話を?」
自分はバカ正直かもしれないと、声のトーンが低くなった龍河さんの言葉を聞いて思った。内心ひやひやしているのは内緒で、目を閉じる。
「寝ましょう。おやすみなさい」
「寝る?お前はバカなのか?」
やはり不機嫌そうに龍河さんが尋ねると、恐怖が現実的なものになったが。