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冷血な獣
第3章 冷血人間の彼女2
今度は唇を食むだけの、優しいもの。私の顔の横で両手を軽く繋がれると、少し今までとは違う仕草に不思議になった。
「…本当は見合いも断ったんだが、社長に土下座までされてな。そこまでされては断れなかったんだ」
「土下座までですか? …その社長さん、本当に龍河さんを婿にしたいんですね!」
「ああ……正直困ってる」
一瞬疲れた様な顔をすると、龍河さんはチュッと私の頬へキスをした。
「……もしかして、お見合いを断る為に私と付き合ったんじゃないですよね?」
聞きたくなかったけど、気になってしょうがなかった。
「それはない。見合いの話をされる前から、俺は妃南を恋人にしたかった」
そう断言すると、続けて龍河さんは私の首筋へキスをする。チュッ、チュッと繰り返し。そして私の顔を見ながら、真剣に質問する。
「心配なら、明日来るか?」