この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
冷血な獣
第15章 黒い渦

* * *

「妃南、行くな……頼む。行かないでくれ……」

翌朝、ベッドの上であり得ない光景を目にしてしまった。

携帯のアラームで先に起き、隣で寝ている龍河さんへ視線を向けると。

枕に抱きついた格好で、龍河さんが寝言を言っていた。

「……えっ?」

何だろう。このイケメンの残念感。見なかったことにしよう……。


そのままベッドから下りて、朝食の準備をする為にキッチンへ向かう。

龍河さんは今日から仕事だからお弁当も作らないと……。

でも、その前に着替えなきゃ。昨晩は抱き合った後、裸のまま寝てしまったから。

「ふあっ……」

欠伸をしながら、ベッドの傍らに落ちている下着を拾って着替え始める。

そしてTシャツに頭を通そうとして、唐突に後ろから注がれる視線に気付くと。

無言で手を止め、そうっと振り返った。

「着るのか?」

そこにはいつの間にか起きて、ベッドに座っている龍河さんの姿。

起きているだけなら良いけど、黙って着替えを見ていたんだと思うと。

無性に恥ずかしくなり、顔に冷や汗をかく。

「……龍河さん、起きてたんですか?」
「ああ。おはよう」
「おはようございます……」

起きていたなら声を掛けてくれたら良いのに。

挨拶を返しながら、少し不満に思った。しかし。

「するか?」

真剣な顔で龍河さんからそう質問されると、一瞬で不満など消えてしまう。

その代わり口から出たのは、素直な返事。

「はい……」

もう、龍河さんとしか付き合えない気がする。

万が一、また別れる事になっても。絶対龍河さんが良い。

「おいで」
「……」

ベッドに乗ると、手を引かれて何も身に纏っていない龍河さんの太腿に座る。

そして、伸ばされた手が私の左頬に触れると、ゆっくり目を閉じた。

/336ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ