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冷血な獣
第16章 飼い猫
きっと分かってくれる……と信じてのことだった。
「…違う。俺は妃南が好き。結婚しよう……結婚して……」
「りょう君、大丈夫……」
反対に混乱させてしまうとは……思わなかった。
これは逃げなきゃいけないかもしれない。
りょう君の目、何をするか分からない人の目。怖い……。
「そうだ。俺がどれだけ妃南を可愛くて好きと思っているか、証明するから。それを見たら信じてくれる?」
「証明……?」
って何をする気。変な事じゃないと良いけど……。
緊張しながら、私は続けられるりょう君の言葉に耳を傾けた。
「俺、妃南の言うこと何でも聞く。だから何か叶えて欲しい事言って」
「叶えて欲しい事って……」
そんなの一つしかない。
私の事を諦めて、マンションに帰して欲しい。