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冷血な獣
第4章 お見合い大作戦1
……ドキドキするな。返事来るかな。それ以前に、メッセージ見てくれるかな……。
そんな事を考えていると、ラウンジの方から聞こえてくる龍河さんの声。
「ちょっと失礼します」
私からのLINEに気付いてくれたのかな。
振り返って見てみると、スーツの胸ポケットから携帯を出す龍河さんの姿が目に入った。
龍河さんはそのまま携帯の画面を暫く見つめて。再び胸ポケットへ仕舞い込んだ。
「……やっぱり、返事してくれないよ……」
分かっていたけど、ガッカリしながら話した。
当然だ。今はお見合い中なんだから。私に構ってる場合じゃない。
「あはは、残念」
「りょう君、笑い事じゃないよ……」
他人事だと思って楽しそうに笑っているけど、言い出したのはりょう君なんだから。
「あれ? でも見て、妃南」
りょう君が龍河さん達の方を指差す。