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冷血な獣
第8章 嫉妬
いつもクールだから、こんなに子供だとは思わなかった!
『じゃあ公園にでも住むつもりですか? 外には野蛮な生物がいっぱいいますよ? 蚊とかムカデとか……』
『公園に住めるわけがないだろう? あそこは子供達が遊ぶ場所だ』
『じゃあインターネットカフェにでも行って、寝泊まりするんですか?』
『お前はバカか? あそこはインターネットをして楽しむ場所だ。寝泊まりするバカが何処にいるんだ』
しかも温室育ちなお坊っちゃんの様に感じる。
言ってる事は正しいけど、少し世間知らずなんじゃ……。
庶民的な私とは、考え方が全然違う。
『1カ月、そこら辺のホテルに泊まる』
『1カ月も毎日ホテルで暮らしたら、お金が勿体無いですよ! 食費だって掛かるんですから!』
『食事は毎日インスタントラーメンにすれば安いだろ』
『体壊したいんですか!?』
心配して必死に話す私へ、突然龍河さんはため息を吐いた。
『……もう分かった。お前、俺と暮らしたいんだな?』
分かってない、龍河さん。
いや、分かってるのかもしれない。
龍河さんの言うとおり、私がここまで言うのは龍河さんと暮らしたいだけなのかもしれない。
好きだから、そばにいて欲しくて。
『俺の事が諦められないか?』
更に問われると、つい頷いてしまいそうになる。
面白半分にからかわれている事は分かっているけど、高鳴る心。
それを弄ぶ様に、
『じゃあ毎日ラブホテルに泊まるか、お前と』
龍河さんは話すと、柔らかく口角を上げた。