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冷血な獣
第8章 嫉妬
* * *
「どうして俺がヒモ男みたいな事を。ここまで落ちぶれてしまったら、人はおしまいだ」
ソファに腰掛けたまま、起きたばかりで前髪を下ろし、ティーシャツ、スウェットのズボン姿の龍河さんがぼんやりと話す。
「またそんな事を言ってるんですか? 弱音を吐くぐらいの元気があるなら、家事手伝って下さいよ」
キッチンで朝食の目玉焼きを作りながら私が話し掛けると、龍河さんはぼんやりした瞳をこちらへ向けた。
「……何をしたら良いんだ?」
「洗濯をお願いします」
「分かった……」
返事をしてソファから立ち上がると、洗濯機のある浴室の脱衣所へ歩き始める。
こんな日常が一週間も繰り返されて、私も龍河さんとの同居生活にだんだん慣れてきた。