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冷血な獣
第8章 嫉妬
図星過ぎて、何も言えない……。
惚れ直すどころか淫らな妄想をしてしまったなんて、口がさけても無理だ。
「いやぁ、その……」
このまま抱かれたらネクタイで縛られるのかとか。
その龍河さんの匂いのついたシャツを着たいとか。
バレたら、確実に軽蔑される……。
じわじわと額に冷や汗を滲ませていると、続けて話し掛けられる。
「そういえば、佐伯も出掛けると言ってなかったか?」
落ち着いて自身の腕に、腕時計をはめる龍河さん。
その質問に答える私。
「あ……はい。午後から茶織先輩とランチする約束です」
「そうか。じゃあ送ってやる」
「えっ? 龍河さんが? 送ってくれるんですか?」
「ああ」
思いがけない言葉に、一瞬耳を疑った。