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冷血な獣
第8章 嫉妬
* * *
時刻は11時。あれから支度をして、龍河さんにカフェの前まで車で送って貰うと、店内に入った。
店内では席に座っていた茶織先輩とすぐに合流して、店員にランチを頼み、いつもの女子トークが始まる。
「……にしても、あの龍河さんと同居なんて。やるわね、妃南」
「いやぁ、その、棚ぼたと言うか、願ってもない話と言うか……あはは」
「本当に幸福者だわ! この機会、絶対逃しちゃダメよ! どんな手、道具を使ってでも、龍河さんとヨリを戻すのよ!」
初めからヒートアップした状態で話す、茶織先輩。
「ヨリを戻す……というか、私達本当に付き合ってたんでしょうか? 全く今の私、恋愛対象外、というより嫌われている気がします……」
私に対して普段冷たく接する龍河さんを思い出しながら、私はおずおずと話す。
「そうね……妃南、龍河さんに何かしたの?」
「全く覚えてません……」
茶織先輩からの質問に、そう答えるしかなかった。