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冷血な獣
第8章 嫉妬
付き合っていた頃は優しかったんだけど。
龍河さんがお見合いした日、泊まったホテルでも今とは比べ物にならない程、紳士的で穏やかに接してくれた。
「龍河さんに結婚話なんてしてないわよね?」
「してません……」
「浮気は!?」
「私がするわけないじゃないですか……!」
茶織先輩の質問に、断固として否定する。
「そうよね……。もしかして、本当に飽きただけとか?」
「ありえます……」
「兎に角、過去は忘れるのよ? 龍河さんも暫くは就職出来ずに辛いだろうから、妃南が支えてあげるのよ!」
「……頑張ります」
心の底から頷くと、そのまま茶織先輩と一緒に運ばれて来たランチを食べ始める。
そしてひたすら話に花を咲かせた。