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飼っていたペットに飼われています。
第61章 理想の男(スイ目線)
 今日だって知らない間にサキを打ち上げに呼んでいたメンバーが、
「おー、来た来た! スイの可愛い彼女!」
とからかうと、
「彼女なんかじゃないです…!」
 と即否定されてまた辛くなる。そしてチラッと俺を見て、
「あの…、一方的な気持ちですから。」
 と追い打ちを掛けるような酷いことを言うんだ。
「え? じゃあ俺らの勘違い?」
 と食い下がるメンバーに、
「…私の好きとスイの好きは違う、ってきっぱり言われちゃいましたから。」
 と悲しく笑って見せる。
 人の失恋話がそんなにおかしいか?
「ねえ、ちゃんと素直に全部話した?」
 と、尚も食い下がったメンバーに、
「はい、私を大切にしてくれてる気持ちがわかって嬉しかったです!」 
 と、微笑んだ。
 …もうやめてくれ。確かに俺はお前に許されないことを沢山してきたけど、こんなやり方は卑怯だろ。

 怒りを必死に抑えながら震える手で酒を押し流して黙って聞いていたのに、サキがあまりに許されない嘘を吐いたからもう我慢できなかった。
「ところで新曲すごく素敵でした! 『M』はきっとメンバーの皆さんへの感謝を表してるんだろうなって思って感動して、『S』は…すごく大好きなんだけど、こんな風に想ってもらえるスイの本命の彼女さんが羨ましくて、さっきちょっと泣けてきちゃいました。」
 ……ふざけんな。ふざけんな!
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