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飼っていたペットに飼われています。
第61章 理想の男(スイ目線)
「…おい。そんなに俺の気持ちがおかしいか? 真剣に好きな女を想って作ったあの曲が笑えるか?」
「…違う…!」
 青ざめて震えるサキを見ても、口から言葉が止まらなかった。
 見かねてメンバーが口を出そうとする。
「サキちゃん、あの曲は元々…、」
「『Saki』だよ! あの曲、本当はお前の名前つけようと思ってたよ。流石に止められて頭文字だけ残したけど。笑いたいなら笑えば? 俺がお前以外の女のこと考えて作った曲なんて今までひとつもねぇよ! ……何なんだ? この間から俺の気持ちを馬鹿にしてきて。こんなことで辱めて復讐してるつもりかよ。悪いけどな、これくらいでへこたれて諦められるような半端な気持ちでお前が好きだと思ったら大間違いなんだよ!」
 涙も出ない様子のサキに吐き捨てるように言う。
「でも、いまのサキとは一緒にいたくない。お前が求める優しい男にもなれない。だから、しばらく帰れないけど頭冷やしたら適当に戻ってくる。…絶対に、絶対にお前のこと諦めないからな。」

 続いて立ち上がり、沈黙するメンバーの方を見て静かに伝える。
「本当勝手で申し訳ないんですけど、流石に気分悪いんで今日は先に帰らせてもらいます。明日の練習にはちゃんと行くんで心配しないでください。あと、この馬鹿ちゃんと家まで送り届けてもらえると助かります。」
 そのまま一礼して俺は店を出た。
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