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飼っていたペットに飼われています。
第62章 走れ!(サキ目線)

…好き?
…スイが? …私を?
…曲に描かれたあの女の人が私?
呆然としたままの私に誰かが声をかける。
「……走って!」
「走って‼」
「サキちゃん、SUIが好きなんでしょ?」
「…でも……。」
言い淀む私の肩を掴んでKOUHEIさんが言う。
「SUIがいなくなってもいいの?」
「よくない…。」
「次、いつ会えるかわかんないよ?」
「やだ…。」
「じゃあ、走れ!」
「……はいっ!」
駆け出す私の後ろから声がする。
「絶対追いつける‼」
「頑張れ‼」
「とにかく走って捕まえろ‼」
ズボンのポケットに手を突っ込んで、遠くを歩くスイの背中を見つけて叫ぶ。
「…待って!」
スイは構わず歩き続ける。
走りながら叫ぶ。
「スイ! お願い! 待って…!」
名前を呼んでもこっちを見てすらくれない。
「一緒なの…! スイと同じ気持ちなの!」
ようやく、足が止まった。
その背中に追いつきたくて追いつきたくて、走りながら続ける。
「スイが書いてくれた…! あの気持ちが…! あの人が…! ほんとに私なら…! 一緒なの…!」
いつの間にかこちらを向いていた彼の胸に飛び込んで、涙でぐしゃぐしゃになりながら言った。
「好き…! スイが…、好き! ずっと…。これからも…いちばん好きなの…。だいすきなのぉ…。」
背中に回った大きな腕があったくて、優しくて、少し震えてて、そのすべてにしばらく涙が止まらなかった。
…スイが? …私を?
…曲に描かれたあの女の人が私?
呆然としたままの私に誰かが声をかける。
「……走って!」
「走って‼」
「サキちゃん、SUIが好きなんでしょ?」
「…でも……。」
言い淀む私の肩を掴んでKOUHEIさんが言う。
「SUIがいなくなってもいいの?」
「よくない…。」
「次、いつ会えるかわかんないよ?」
「やだ…。」
「じゃあ、走れ!」
「……はいっ!」
駆け出す私の後ろから声がする。
「絶対追いつける‼」
「頑張れ‼」
「とにかく走って捕まえろ‼」
ズボンのポケットに手を突っ込んで、遠くを歩くスイの背中を見つけて叫ぶ。
「…待って!」
スイは構わず歩き続ける。
走りながら叫ぶ。
「スイ! お願い! 待って…!」
名前を呼んでもこっちを見てすらくれない。
「一緒なの…! スイと同じ気持ちなの!」
ようやく、足が止まった。
その背中に追いつきたくて追いつきたくて、走りながら続ける。
「スイが書いてくれた…! あの気持ちが…! あの人が…! ほんとに私なら…! 一緒なの…!」
いつの間にかこちらを向いていた彼の胸に飛び込んで、涙でぐしゃぐしゃになりながら言った。
「好き…! スイが…、好き! ずっと…。これからも…いちばん好きなの…。だいすきなのぉ…。」
背中に回った大きな腕があったくて、優しくて、少し震えてて、そのすべてにしばらく涙が止まらなかった。

