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飼っていたペットに飼われています。
第63章 『S』(サキ目線)

こういう時こそ邪魔なもので、タクシーの運転手さんがやたらと話しかけてくる。
「いや~! お客さんアツいね! 外人さんかな?」
無言のこちらに構わず、喋り続ける。
「おっ! この曲! 知ってる? 俺の最近1番お気に入りの曲。お客さんなら何言ってんのかわかるかな? 聞いてみて!」
そう言ってラジオの音量を上げ、流れてきたイントロは運命のように『S』だった。
スイが聞いてて、というように繋いだ熱い手にぎゅっと力を込める。
『ねえ、君が好き。
宇宙でいちばん。
沢山傷つけて
泣かせてしまったけど
本当はすごく愛してる。
報われなくてもいい。
愛してくれなくてもいい。
それでも君が好きだ。
ただ、存在していて。
ずっと笑っていて。
できるなら、僕の隣で。』
気づけばサキにだけ聞こえるような小さな声でスイが口ずさんでいた。
そして、運転手さんに
「彼女が大好きで仕方ないっていう男の歌ですよ。」
と告げた。
「いや~! お客さんアツいね! 外人さんかな?」
無言のこちらに構わず、喋り続ける。
「おっ! この曲! 知ってる? 俺の最近1番お気に入りの曲。お客さんなら何言ってんのかわかるかな? 聞いてみて!」
そう言ってラジオの音量を上げ、流れてきたイントロは運命のように『S』だった。
スイが聞いてて、というように繋いだ熱い手にぎゅっと力を込める。
『ねえ、君が好き。
宇宙でいちばん。
沢山傷つけて
泣かせてしまったけど
本当はすごく愛してる。
報われなくてもいい。
愛してくれなくてもいい。
それでも君が好きだ。
ただ、存在していて。
ずっと笑っていて。
できるなら、僕の隣で。』
気づけばサキにだけ聞こえるような小さな声でスイが口ずさんでいた。
そして、運転手さんに
「彼女が大好きで仕方ないっていう男の歌ですよ。」
と告げた。

