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飼っていたペットに飼われています。
第65章 【裏】 意地悪 上 (スイ目線)
 震えるサキのシャツのボタンを無表情で外していく俺に、背けたままの顔を赤くして涙目で嫌々しながら訴える。
「…だめ。本当に嫌なのぉ! 恥ずかしい…! 恥ずかしいから今はどうしてもダメ!」
「チッ…。なんでだよ! 昨日も…。」
「だって…! ちゃんと考えたら、あんなにあんなにずっと好きだったスイと…その…。両想い…だったなんて…もう…。」
「もう?」
 嫌いで避けられてる訳ではないのかとホッとして手を止め、その濃い桃のように染まった頬をじっと見つめる。
「ドキドキして…、同じ部屋にいるのも…声を聞くのも…まだ…いっぱいいっぱいなのに。…目が合って…触って…それ以上…なんて。早いよ。…もう少し待って?」
「はぁ…、それは、最終的にどれくらい待てばいいわけ?」
「うんと…1年、いやその倍くらいは…欲しいかな?」
「………。」
「スイ…、わかってくれてありが……きゃッ‼」
 ーーブチブチブチッ!
 あまりにムカついて残りのボタンを外す手間も省き、襟元を掴んで一気に引き割いてしまった。
「…なあサキ? 俺の気持ち知っててなお、そんな不可能な意地悪言うのは、こんな風にイジめてほしいから? …ああ、そういう俺も好きなんだっけ? ほんと可愛いよな、ふふ…。」

 紺なんて地味だなって思ってたけど、呼吸にあわせて上下する胸の血管が透けるほどの白さと、その真ん中に尖って濃くなった小さな突起の薄紅色がすごくよく映えていて綺麗だ。
 ちゃんと俺をそそる服を着て待っててくれたってことが今ならわかるよ。ま、どうせ無自覚だろうけど。

 くびれたウエストの下の可愛いへその下にある見えない筋肉や骨まで全部が愛しくて、爪の先で優しくツッ…と撫ぜたその直後。
「…アァっ…! めぇぇ…ッッッ…!!」
 と叫びながら腰を高く跳ね上げさせたあと、サキは肩で大きく息を吸っている。
 …あれ? この反応…。

「……まさかイッた? サキ? 今ので?」
「………から。だからぁ…! さわっちゃ、だめって…。言ってるのにぃ…!」
 そう言っていよいよ泣き出す俺の彼女がめちゃめちゃ可愛すぎて、ほんと俺は気が狂いそうだ。
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