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飼っていたペットに飼われています。
第70章 彼の名前(サキ目線/第1部最終回)
 サキに話していた通り、大阪のステージに立ったスイはこれまでと全く違っていた。
 今まではファンから声援をもらっても無視だったし、歌声もどこか悲しみや怒りをぶつけているような所があった。
 それが今日はファンから名前を呼ばれたら笑顔を返すし、声も通ってのびやかで、今まで見たDEEP BLUEのライブの中でも最高の盛り上がりを見せたまま、最後の1曲を迎える。

「じゃあ次が最後の曲になるけど、その前に。…改めて俺らを待っててくれてありがとう。」
「「「キャーーーー‼」」」
 これまで積極的に自ら喋る姿など殆ど見せなかったSUIの言葉に、場内から震えるほどの歓声が上がった。
「あと、口下手なんでこういうの苦手なんだけど。メンバーとか、身近な人にも本当感謝してます。休止期間中、色々あったけど帰る道を作ってもらったってことはすごい恩があるんで。じゃあ本当にラスト1曲…」
「…す…す…SUI〜〜〜!!!! お前の口からそんな言葉が聞ける日が来るなんて、俺は…! 俺は…!」
 号泣しだすKOUHEIをいつものようにYASUとRYOが窘める。
「おい、やめとけ舞台だぞ!」
「あーあ、ROCKな空気とかけ離れちゃってるじゃ〜ん。」
 仲の良いメンバーの様子に客席から温かい笑いが起こる。
「あー面倒くせえ。とっとと演って帰るぞ! 新曲から『S』。」
 SUIが強引にベースを鳴らして歌い始め、慌てて他のメンバーも続く。
 すべて歌い終わったあと、この日初めてサキと目を合わせてスイは優しく微笑んでくれた。

 ねえ、スイ。その顔、格好良すぎて反則だよ。
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