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飼っていたペットに飼われています。
第70章 彼の名前(サキ目線/第1部最終回)

次の日、バイクを借りてスイとサキは大阪を観光していた。
初めてのちゃんとしたデートなのに、お好み焼きを綺麗にひっくり返したスイはムスッとしたままだ。
「ねえ、スイ機嫌直して? 美味しそうだよ? あの人はスイがお世話になってるレコード会社の偉い人って聞いてたから関係者席で少しお話してただけだよ。」
「はあ? それでも食事誘われて『機会があればぜひ』って答える必要はねえだろ。」
「だって…、スイの知り合いって紹介されてるのに失礼な態度とれないよ!」
「あっそ。」
なかなか機嫌を直してくれないスイに、サキは甘え作戦を投じることにした。
「もっと信頼してよ。私、スイの彼女、でしょ?」
少しドキドキしながら聞いてみる。
「は? 一生飼ってやるって言ったろ?」
「え? じゃあ私まさか、まだ…ペット、のままなの?」
「冷めるぞ。早く食え。」
はぁ…。まさか私まだペットだったなんて。しかも一生なんて。
悲しい気持ちで店を出てバイクに乗り込みスイの背中にギュッと抱きつく。
「ペット兼彼女。」
スイがそう小さく呟いた。
「え?」
「放っとくとすぐ他の男に連れて行かれそうになるから、まだリード離せないんだよ。わかれよ。」
「…うん!」
嬉しくて回した腕にそっと力を込めたまま、バイクは京都へと向かった。
初めてのちゃんとしたデートなのに、お好み焼きを綺麗にひっくり返したスイはムスッとしたままだ。
「ねえ、スイ機嫌直して? 美味しそうだよ? あの人はスイがお世話になってるレコード会社の偉い人って聞いてたから関係者席で少しお話してただけだよ。」
「はあ? それでも食事誘われて『機会があればぜひ』って答える必要はねえだろ。」
「だって…、スイの知り合いって紹介されてるのに失礼な態度とれないよ!」
「あっそ。」
なかなか機嫌を直してくれないスイに、サキは甘え作戦を投じることにした。
「もっと信頼してよ。私、スイの彼女、でしょ?」
少しドキドキしながら聞いてみる。
「は? 一生飼ってやるって言ったろ?」
「え? じゃあ私まさか、まだ…ペット、のままなの?」
「冷めるぞ。早く食え。」
はぁ…。まさか私まだペットだったなんて。しかも一生なんて。
悲しい気持ちで店を出てバイクに乗り込みスイの背中にギュッと抱きつく。
「ペット兼彼女。」
スイがそう小さく呟いた。
「え?」
「放っとくとすぐ他の男に連れて行かれそうになるから、まだリード離せないんだよ。わかれよ。」
「…うん!」
嬉しくて回した腕にそっと力を込めたまま、バイクは京都へと向かった。

