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飼っていたペットに飼われています。
第22章 秘密 上(スイ目線)
 それから俺は毎晩サキを抱いた。
 サキは一切抵抗せず、快感も素直に表現する。
 正体のわからない自分にいつ愛想を尽かし、いなくなってしまうのか。押し寄せるその不安を打ち消すように彼女の体を求めてしまう。その時だけは気持ちが通じているように感じた。

 俺が帰ってきて嬉しいとも口にするが本音のところはわからない。
 いや、帰ってきてほしかった姿は水槽の中にいた頃の自分で、こんな関係性になることは願っていなかったはずだ。
 それがわかっていたから自分でも本当の姿を隠し、彼女が望むあの姿でいようと思っていたのに。
 サキが美しく成長し、あの男に襲われる姿を見てからはあっけなく決壊してしまった。


 そもそも俺は、この星の生き物じゃない。どこから来たのかもわからない。ただ、卵のうちに50人ほどの兄弟と一緒にカプセルに入れられて宇宙船から生命のいる様々な星に落とされ、そこで生きていくということが慣例だと本能的に理解していた。
 最初は落とされた環境に最も適した生物に近い姿で生まれ、その星の様々な生命を食べて進化していく。
 ある条件を満たすとその星の頂点捕食者や最も知能が優れた者に擬態することが出来るため、それを最終進化とする者が多い。 

 その条件とは擬態を希望する生き物を食べることだった。

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