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飼っていたペットに飼われています。
第43章 隣に立つのは(サキ目線)
 部屋について誰もいないのを確認しベッドに腰掛けると、プレーヤーからイヤホンのプラグを外す。
 いつもはこっそり通学中に聴いているDEEP BLUEの曲が室内に響きはじめた。

 あっ、メールしなきゃ。
『無事家に着きました。今日も遅いかな? 一応ご飯作ってテーブルに置いておきます。』
 …ピコンッ。秒速で返信が来た。
『早く寝ろ』
 寂しくなって、昨日散々虐められるきっかけを引き起こした自作の歌詞ノートを取り出し、ハスキーなスイの声に耳を傾ける。

 アルバム以前に発売されたシングルも全て購入し、もうすっかりDEEP BLUEファンの1人だ。
 スイが加入してからの曲は少し切なかったり、激しい欲を表現するようなセクシーなものが中心である。
 醜い自分と美しい最愛の人を比べて嘆く悲しいモンスターがいたり、逃げる女性を捕えて檻に閉じ込めたり、泣いている彼女に興奮して犯し続けてしまうという怖い歌もあった。
 昨日歌ってくれたとんでもない曲はサキがモデルと言っていたけれど、気持ちが伝わらないと悲しむ次の曲は誰を想って書いたのかな? 胸がチクリと痛んだ。
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